相続放棄をしても受け取れるお金について

文責:所長 弁護士 鳥光 翼

最終更新日:2020年07月18日

1 保険金

 被相続人が生命保険に入っていた場合,相続人に対し,生命保険金が支払われることがあります。
 相続人の方が受取人になっている場合(契約上,保険金の受取が相続人固有の権利である場合)は,生命保険金は相続財産ではないため,受け取っても法定単純承認事由に該当する行為にはなりません。
 受け取る前に,保険会社の担当者に連絡し,契約上,相続人が受取人とされていることで,および相続人固有の権利として生命保険金を受取ることをしっかりと確認しましょう。
 被相続人が生前に入院等をされていた場合の,損害保険金等については注意が必要です。
 これは被相続人の生前に発生していた,被相続人に受取る権利のある金銭であった可能性があり,相続財産を構成することもあるので,ひとまず受け取らないようにし,しっかり契約内容を確認しましょう。

2 葬儀に対する給付金

 被相続人が死亡した場合,健康保険組合等から葬儀の補助のために給付金が支給されることがあります。
 この給付金は,葬儀を行った者に対して支払われると定められており,葬儀を行った者が固有に受け取ることができる金銭であると考えられます。
 そのため,被相続人の相続財産を構成せず,受け取っても法定単純承認事由に該当する行為にはなりません。
 ただし,実際に受取るための申請する際には,給付金を根拠づける法令等をしっかり参照し,葬儀を行った者固有の権利として支給を受けるものであることを,窓口で確認しておく必要があります。

3 未支給年金

 被相続人が年金受給者で,月の途中でお亡くなりになると,本来支払われるべきであった年金(未支給年金)を遺族に支払うことになっています。
 2020年6月現在,国民年金法により,未支給年金は,被相続人の配偶者,子,父母・・・という順番で受け取ることができる順位が定められています。
 この法律によれば,未支給年金は被相続人の相続財産ではなく,受け取ることができる人固有の権利であると解釈することができますので,受け取っても法定単純承認事由に該当する行為にはならないと考えられます。
 もっとも,これも保険金等と同様に,受取人固有の権利に基づいて支給されるものであることを窓口で確認しましょう。

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