相続財産に手をつけてしまった場合について

文責:弁護士 鳥光 翼

最終更新日:2020年07月18日

1 遺産分割協議をしてしまった

 遺産分割協議は,法定単純承認事由に該当する行為です。
 したがいまして,遺産分割協議を行ってしまうと,原則として相続放棄は認められないことになります。
 もっとも,遺産分割協議を行ってしまったとしても,その後になって多額の相続債務が発見されたような場合には,遺産分割協議を錯誤無効とし,法定単純承認事由に該当する行為が消滅する結果,相続放棄が可能となる場合があると示した裁判例もあります。
 当法人では,遺産分割協議を行ってしまっただけでなく,遺産分割協議に従って不動産を取得した相続人について,相続放棄を認めてもらった実績もございます。
 遺産分割協議を行ってしまったとしても,あきらめずにご相談ください。

2 遺産を売却してしまった

 不動産や,自動車・バイク・価値のある動産(金塊や高価な家具,設備等)を売却してしまう行為も,法定単純承認事由に該当する行為となります。
 そのため,基本的には相続放棄ができなくなります。
 もし売却してしまったら,とにかくすぐに買手や仲介業者へ連絡し,錯誤を理由として元に戻してもらうよう相談しましょう。
 相手のいる話なので,必ずしも成功するとは限りませんが,実際にバイクを売却してしまった直後にディーラーに事情を説明して,売却金を返還するとともにバイクを取り戻すことができた事例もあります。

3 被相続人の預貯金を使ってしまった

  これも原則として,法定単純承認事由に該当する行為であるため,相続放棄が認められなくなります。
 ただし,被相続人の葬儀のために使用したものであり,その金額が社会通念上相当と認められるものである場合,例外的に法定単純承認事由に該当する行為にならないとされています。
 社会通念上相当とされる金額は明確ではなく,亡くなった方の社会的地位等によっても変わり得ますが,おおむね100万円程度であれば問題ないと考えられています。

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